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続・古い写真の復元

〈2054〉

〈2052〉でお伝えしたネガフィルムからポジ画像を得る新方法です。フィルム、光源、Pentax一眼、画像処理ソフトによる方法で、フィルムスキャナーを使いません。

続・古い写真の復元

2020.5.29 furuifilm no furuibaiku (Pentax KP)

yoshiaki.toma

Image Image ネガの透過照明の工夫。スキャナーの透過照明をそのまま使う。せっかくスキャナーの使用を止めたのに、一部の機能を使うのは清くありません!

Image Image 手持ちの小さなライトボックス。4×5版を一枚乗せられます。置いているカラビナは全長10センチ。電源は単二を4本。

Image カメラ側の設定。ホワイトバランスをフィルムのコマ間でマニュアル設定します。フィルムはプリントの過程で反転され紙焼きされます。光の当たらないところが反転され「黒」に表現されなければいけません。この画像からわかるように、フィルムベースにはバックグラウンドとして薄く茶色が残るので〈2052〉では経験的に色温度2500Kでホワイトバランスをプリセットしていました。今回はここを実際のフィルムのコマ間で取得しました。

Image プリセット3に記憶させました。

Image ためしにこの画像をラフに反転させるとこうなります。青っぽい黒ですからフィルム撮影後も画像処理の作業はありそうです。

Image Image ネガ撮影と反転(ネガポジ反転)画像。ネガフィルムに残る茶色いベースの色が反転され残ります。デジタルの色作りRGBの茶色はRに近く、その補色がシアンなのでフィルムベースの補色として青被りが残っていたのです。色温度2500Kもフィルムベース色に近いですが、今回はホワイトバランスを実際のフィルム面から取得しました。

Image Image 手持ちの画像処理ソフトのうち最多機能のある「ステライメージ Ver.5 」を利用しRGBでレベル調整しました。これだけでも眠い青被りのコントラストが上がりました。以後、R,G,B,をそれぞれ微調整。

Image Image 反転させると良い結果が得られました。実は初めはトーンカーブを設定したり苦労しました。愛用の天体画像処理ソフトには全ての機能が揃い試行錯誤に応えてくれました。

Image Image Image フィルムスキャナー並みの画像を少ない機材で作れました。これはトリミング前の画像です。それにしても、よくこの林道にセミ版カメラを持ち出したなあ。

Image Image タイトル画像のネガは35mmフィルム。ニコンのスライドコピアで撮影し同じ方法で反転させました。フィルムに書き込まれたデータが覗ける窓付きのフィルムホルダーいいですね!ネガフィルムは広いラチュード(諧調)を目指し進化し、少々の露出ミスもプリント段階の補正で救えました。ほとんど露出オーバーかと思われた白っぽい写真がプリント補正で救えることがありました。そんな現像所の職人さんは今どんな仕事をされているのだろう。スライドフィルムは現像段階で色再現されていて、現在のデジタルカメラの接写機能で複写も楽です。しかし補正の自由度は少ないです。

今回、ネガ撮影→レベル調整→反転(ネガポジ反転)→トーンカーブ微調整の作業が面白く感じました。フィルム資産の復元だけでなく、ライトルームで現像作業をデジタルで行うことが楽しかったです!フィルムメーカーが、反転して青被りし難いフィルムベースの新フィルムを作ってくれたら、フィルム&デジタルの趣味の世界が広がるな。古いカメラにもう一度フィルムを通す機会が増えるかな。でも趣味と言うのはハードルが高く克服する達成感が必要です。そもそもフィルムスキャナーでの取り込みが簡単過ぎてこの方法を見つけたのですから。(写真熱、バイク熱復活!!)

https://sayamahills.com/2054/