クサカゲロウとアオスジアゲハ
〈2117〉
https://sayamahills.com/2117/
8月1日の観察です。今月の始めの話です。登場の生き物はすでに成虫になって、昆虫カメラマンのモデルになったり、次の世代に命をつないだり、あるいは他の命のために補食されてしまったかもしれません。
2020.8.1 kuramatengu (Pentax K-1)
yoshiaki.toma
クロコノマチョウを観察したとき、小さなゴミの塊がすっすっす、と動いていました。クサカゲロウです。
背負っているのは、自分の脱皮殻やアブラムシの亡骸みたいなものです。背中の毛束にそれらを引っ掛けて、自分もゴミ屋敷の主人、あるいはゴミになりきっています。天敵を欺(あざむ)く技かもしれません。小さなハウルの動く城です。
このような生態の昆虫やクモなどいくつかあるのですが、自分の狩りのための道具なのか、自分を捕食するべき天敵を欺(あざむ)くのか実際のところ不明のようです。1億年ほど前からこの技を獲得していたようです。
アオスジアゲハの幼虫も不思議な形体です。アゲハに多い若齢幼虫時の「糞の擬態」はありません。
頭巾を紫紺染めしたような、クールな姿をしています。そしてじっと動かないのもプライドを感じます。全体に清潔感が際立ちます。でもね、私が生まれ変わるときは、背中におもちゃを背負ったクサカゲロウも捨てがたいなと思っています。
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