icon

狭山丘陵 しぜんのかたち ↘

ハッシュタグ ↘

最近の投稿 ↘

カラスノビシャクの花のつくり

〈2286〉

カラスノビシャクが沢山咲いているので、花のつくりを調べ花粉を観察してみました。花の仏炎苞(ぶつえんほう)を開いたときパラパラ花粉が散ったので、そのままスライドグラスに乗せて観察しました。

カラスノビシャクの花のつくり

2021.4.19 ryuuseijin??? (Pentax K1 + OLYMPUS BH-2)

yoshiaki.toma

Image 生体なのに真球度が高く、ビックリしました。引っかかりの少ない姿は、意味がありそうです。

Image Image 花粉は、ほぼ25μm(0.025mm)くらいの球体でした。

Image Image 開花間もない花と数日後の花を比べると、仏炎苞(ぶつえんほう)の淵の色づきが変化しています。 花粉は白っぽいので、紫への色彩変化にはある種の化学変化が関わっているのでしょう。

Image その場で花を分解すると、上部に雄花、下部に雌花が見られます。 正式には難しい名称がありますが、専門家以外ふれる機会の少ない呼び名です。

Image Image 若い花と成熟した花。雄花の上に伸びる釣竿みたいな部分は、付属体などと呼ばれるようです。

Image Image 仏炎苞と付属体。ここまで花粉が昇っていました。

Image Image 雄花と雌花。

Image Image 拡大した雄花と雌花。肉眼観察では、袋状の雄花が破れ、花粉が下にある雌花の子房に付いているのがわかりました。双眼実態顕微鏡で落射照明として撮影しました。

Image 花粉を、固定液とカバーガラスでプレパラートにした資料です。1目盛りが2.5μmです。 機械のような球体の、生体花粉とは、だいぶ印象が違う姿です。

Image Image Image 花粉内部と固定液の浸透圧の差からか、形状が変わりました。 カラスノビシャクの花はユニークなデザインです。筒状の上部に雄花があるので、狭い筒の下にある雌花に花粉が落ちる必要があります。構造上、自家受粉が前提の進化をしたんでしょうね。風で運ばれるのではなく、つるっと雌花に落ちやすい「真ん丸」の花粉になり、釣竿みたいな付属体が振れて雄花の袋を破るんじゃないでしょうか。 自然界のパズルを解くのは面白いです。

https://sayamahills.com/2286/